離婚してペットを引き取ったら、養育費を支払ってもらえるか?

こんにちは、函館の行政書士 小川たけひろです。

2020年に一般社団法人ペットフード協会が実施した「全国犬猫飼育実態調査」によると、犬を飼っている世帯数は680万世帯、猫を飼っている世帯が550万世帯と日本の全世帯数に占めるペットを飼っている世帯数の割合は、犬、11.85%、猫9.60%という結果が出ています。ほぼ、10世帯に1世帯の割合でペットを飼っているという数字です。

今やペットは家族の一員として、私たちの生活に癒しを与えてくれる存在になっています。そんな存在のペット達ですが、夫婦が離婚することにり、夫婦のどちらがペットを引き取るかで揉めることがあります。

このような場合、どのように解決していけばいいのでしょうか?またペットを引き取った方は、相手方にペットの養育費を請求できるのでしょうか?

1.ペットの法律上の扱いは「物」どちらが引き取るかで揉めることも

犬や猫などペットは、法律上は物として扱われます。そのため、離婚に際しては、家や預貯金、家具、車などと同じく財産分与の対象となり、夫婦が話し合って分けることとなります。

しかし、生きているペットを半分ずつ分けるというわけにはいきませんから、夫婦のどちらかが引き取ることになるのですが、ペットをどちらが引き取るかで揉めてしまうことも珍しくありません。

ただ、財産分与は「婚姻期間中に夫婦で協力して築いた財産」を分ける制度なので、結婚する前から飼っていたペットは財産分与の対象にならず、結婚前から飼っていた方に所有権があります。

では、ペットをどちらが引き取るかで揉めてしまいそうな場合、どういった解決方法があるのでしょうか?

こういった場合に考えられる解決方法としては

①これまでの飼育状況(どちらが主にペットの世話をしていたのか)

②現在の飼育状況(現在、主にどちらがペットの世話をしているか)

③夫婦が別居している場合は、ペットがどちらと暮らしているか

④今後の飼育環境で判断(ペットを飼育できる経済状況なのか?、ペットの世話ができる環境なのか?、ペットの飼育が可能な家に住めるのか?)

⑤ペットはどちらによりなついているか

⑥動物病院の診察券の名義や、予防接種の登録名義人など、実質的にペットの面倒をみていたのはどちらなのか

こういった点を考慮してどちらがペットを引き取るかを検討してみると良いと思います。

2.ペットの養育費を請求できるか?

では、次に、ペットを引き取った側が相手方にペットの養育費を請求できるのでしょうか?ペットは、人間の子どもと違い、「物」として扱われるというのは上記のとおりです。

その結果、親権の対象にはなりませんし、婚姻費用や養育費の対象にもなりません。したがって、相手方にペットの養育費を請求することはできません。

このような理由から、ペットを飼育するために必要な費用は、引き取った方が負担することになります。ただし、離婚する際、飼育費用の一部を負担してくれるよう取り決めたり、飼育費用を慰謝料などに上乗せしてもらうという方法で支払ってもらうことは可能です。

3.まとめ

ペットを飼っていた夫婦が離婚する場合、今後ペットを飼育していく経済力があるか、ペット可の住宅に入居が可能か、離婚後、1人になった場合、ペットの世話ができるのかなどを具体的にシュミレーションしながら、考えてみる必要があります。

海外では、離婚の際にペットに対する「共同親権」を設定して、離婚後にペットとの面会交流することや、ペットにかかる養育費用の負担割合を決める夫婦も珍しくないようです。

日本では法律的にはペットの親権や養育費、面会交流などの考え方はありませんが、夫婦双方で話し合って合意すれば、離婚協議書などに盛り込むことは可能です。

可愛いペットのために、離婚時に今後の飼育に関する条件を可能な限り細かく決めておいた方が良いでしょう。また合意内容を書面残しておくことで無用な紛争を避けることもできます。

離婚後ペットをどちらが引き取るかという問題は、これからもますます増えてくると予想されます。たとえ離婚してもペットに対しては最後まで責任をもって、ペットが幸せに暮らせるような環境を整えてあげることが何より大切です。

 

 

Pocket