相続人の不存在

こんにちは、函館の行政書士 小川たけひろです。

相続人不存在とは、財産を相続する人がいないことをいいます。結婚せず配偶者も子どももいない場合や、両親が早くに亡くなってしまっている場合や兄弟姉妹もいないなどの場合、文字どおり、法定相続人がいないため相続人不存在となります。また、法定相続人はいるが、その者が相続を放棄した場合も相続人不存在となります。

では、こうした相続人が不存在の場合、亡くなった方の財産はどうなってしまうのでしょうか?

 

1.相続人の不存在とは

相続人不存在とは、文字どおり「相続人がいない」ことです。

2.相続人不存在となるのはどんな場合?

①戸籍上相続人となる人がいない

配偶者も子どもも直系尊属(血の繋がった父母、祖父母)も兄弟姉妹もいない場合は、相続人不存在になります。

②最終順位の相続人が欠格、廃除、放棄によって相続権がなくなった

相続人に下記のような事情がある場合は、相続権がなくなってしまう場合があります。

・相続欠格

相続人が被相続人を殺した、相続人が被相続人に詐欺や脅迫などの方法で自分や他者に有利になるように強制的に遺言を書かせたなどの行為がこれに当たります。

相続欠格は、被相続人の意思表示を必要とせず、法律上当然に相続人の相続権をなくしてしまう制度です。

・相続廃除

相続廃除は、被相続人に対する暴行や虐待による精神的苦痛や肉体的苦痛を与えたり、重大な侮辱を与えたり、その他の著しい非行がある場合に、被相続人の意思で相続権をなくす制度です。

・相続放棄

相続放棄は、相続権を相続人が放棄することをいいます。被相続人に債務、いわゆる借金がある場合などに、相続人に相続をしないという権利が与えられています。

そして、最終順位の相続人がこれらに該当すると、だれも相続する人がいなくなってしまうため、相続人不存在とみなされることになります。

③ただし、相続人が行方不明の場合は相続人不存在とはならない

唯一の相続人が行方不明ということはままあることです。しかし、行方不明だからといって相続人不存在になりらないのです。

行方不明になっただけでは、死亡したとはいえないため相続権はなくなりません。

そのため、相続人が行方不明ならば、まずはその相続人を探さなければなりません。それでも連絡がつかない場合や、所在が分からない場合は「不在者財産管理人」選任の申立てをするか、「失踪宣告」を申し立てましょう。

失踪宣告を申し立てた場合、それが受理されると法律上「死亡した」とみなされ次の順位の相続人に相続権が移ります。そこで相続人がいない場合は相続人不存在となります。

3.相続財産の帰属

では、相続人がだれもいない場合、被相続人が遺した財産はどうなってしまうのでしょうか?

こういった場合、被相続人の遺した財産の行先は次の3つのケースが考えられます。

・特別縁故者への分与

相続人がだれもおらず、遺言書で指定した人もいない場合、特別縁故者といわれる人に財産が分与されることがあります。

特別縁故者とは、相続人がいない場合に、たとえば、内縁の妻や事実上の養子など、生前、被相続人と特別な関係にあった人に財産を与えようという制度です。

特別縁故者であることが認められれば、被相続人の財産の全部、もしくは一部を受け取ることができます。

・国庫への帰属

相続人不存在が確定し、特別縁故者の分与請求もない場合は、被相続人の財産は原則として国庫に帰属、つまり国が財産を取得します。

・遺言書で指定された人へ渡る

亡くなった方が、生前、遺言書を遺していたような場合、遺言内容は、最優先されますので、そこで指定された人が財産を受け取ることができます。身近な親族がいないのであれば、お世話になった人や慈善団体に渡るような内容の遺言書を作成しておくのも良いかもしれません。

 

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