共同親権とは?そのメリットとデメリット

こんにちは、函館の行政書士 小川たけひろです。

日本では離婚するときに、両親のどちらが親権者となるのか決めなければなりません。そして、離婚後親権を持つのは9割以上が母親です。欧米では、離婚後も元夫婦が共同して親権を持つ「共同親権」が一般的です。

今回は、共同親権とはどういった制度なのか。また、メリット・デメリット、そして、今後日本でも共同親権制度が採用されるのかについてお話しいたします。

1.共同親権とは?

共同親権とは、父母の両方に親権を認める制度のことをいいます。日本では、婚姻中の夫婦であれば、父親と母親の両方が親権を行使することを認めています。

しかし、離婚後の親権者は父親か母親のどちらか一方に決めなければならないとされています(そもそも、離婚届には親権者を記入する欄があり、親権者を決めなければ、離婚届を提出できません。)これを単独親権といいます。

そして、離婚の際、どちらが親権を取るかという争いになることも少なくありません。

そして、親権者争いに負けた親は(多くは父親)離婚後、子どもと離れて暮らすことにより、しだいに子どもとの関係が希薄になり、その結果、養育費の未払いといった問題を引き起こす原因になっていると考えられています。

では、以下、共同親権のメリットとデメリットをみていきましょう。

2.共同親権のメリット

①離婚後も子どもが両方の親と交流できる

日本では、現状、両親が離婚すると子どもは親権者となった親と暮らすので、別れた親との関わりは、面会交流という形でされことが多いです。

しかし、面会交流がまったくされないこともあります。

また、面会交流がされるケースでも、徐々に回数が減っていき、最後はまったく交流がなくなる場合もあります。

親権者にならなかった親が「子どもと会うと、別れるときが辛いから会いたくない」と思う親がいたり、親権者となった親が「離婚してせっかく手に入れた穏やかな生活を乱したくない」と面会交流を拒否するケースもあります。

 ただし、共同親権であれば、両方の親が共同して監護養育する義務があるので、同居している親が一方的に面会交流を断ることはできません。

また、子供と離れて暮らす親の方も、面会を拒否されても諦める必要もありません。

そして、面会交流をおこなっていくうちに、子どもは両親から愛されているという安心感を持つことでしょう。

②離婚後も両親が共同して養育できる

共同親権の場合、父母の両方に子どもに対する監護教育の権利と義務があります。

そのため、離婚後も協力して子どもを育てていくことができます。

単独親権でありがちな、離婚後、元夫の協力が得られず、疲弊した母親がひとりで子どもを抱えて生きていくといった状況は少なくなっていくでしょう。

また、単独親権では、親権者ではない親は、離婚後、子どもの教育に一切口出しできなかったり、面会交流という機会を除けば、子どもとの関わりも最小限度に制約されるのが現実です。

しかし、共同親権が採用されれば、こういった現状が大きく変わることになるでしょう。

③養育費不払い問題が起きにくくなる

離婚後に子どもと暮らさなくなった親は、徐々に子どもとの関係が希薄になり、そのうちに養育費の不払いといった状況に陥ることがあります。

また、親権を獲得した親が、元配偶者と子どもとの面会に消極的な場合があります。そうすると、子どもとの面会が出来なくなったことを理由に、養育費が支払われなくなることがあります。

両方の親が、離婚後も共同して親権を持ち、子どもと接してくことが可能となれば、自分も子育てに参加している。」という気持ちになり、養育費の不払いという問題は少なくなっていくでしょう。

このように、共同親権にはメリットもありますが、同時にデメリットもあります。

3.共同親権のデメリット

①子どもが精神的に不安定になる危険性がある

両親の離婚ということだけでも、子どもにとっては大事件であり、そのうえ、片方の親とは暮らせなくなるという状況は、両親が考えている以上に子どもの精神に大きな負担を与えてしまいます。

さらに、面会交流の際も、子どもは両方の親に気を使いながら接しなければならず、ここでも大きな精神的負担を強いられます。

仮に、面会交流の場所が親の家だった場合、両親の家を行き来することで、自分の居場所がないと感じてしまう子どもも多くいます。こういったことを繰り返していくうちに、精神的に不安定になってしまうこともあるようです

②子どもの近くに住む必要性が高くなる

たとえ、今後共同親権が導入されても、子どもと一緒に生活できるのはどちらか一方の親です。そのため、単独親権と同様、同居していない親と定期的に面会するということになります。

こうした場合、便宜上、別れた配偶者の近くに住む必要性が高くなります。

すると、仕事などで遠方に引っ越ししたくても、子どものためになかなか決断できない状況になるかもしれません。

ただ、親同士が、離婚後も良好な関係を築けている場合は問題ありませんが、DVやモラハラが原因で離婚したような場合、できるだけ相手とは離れた場所で暮らした方が良いため、子どもとの交流のバランスを取るのが難しいケースもあります。

③教育方針を巡って親同士の争いが起こる

共同親権の場合、両親が共同して養育していく以上、両方の親に教育方針について決定する権利が認められることになります。

そうなると、子どもの進学についての考え方や教育の仕方について、両親の意見が合わずに衝突する可能性があります。
単独親権であれば、親権者になった親がひとりでまたは子どもと話し合って、進学先を決めることができます。

しかし、共同親権が認められれば、元配偶者との話し合いは避けられません。

不仲で別れた相手であれば、その後も教育方針をめぐって、トラブルになる可能性が高くなります。

4.今後日本でも共同親権制度が採用されるのか?

日本でも、離婚後の共同親権を認める方向で検討を進めています。
共同親権を導入することによって、離婚後も両親に子育てに対する責任を持たせ、子どもの健全な成長を促していくことができます。

多くの先進国では離婚後も共同親権が認められています。
ドイツやイギリス、アメリカなど欧米諸国は共同親権についての先進国ですが、アジアについても韓国などは、共同親権を採用しています。

共同親権が導入されることによって、両親が子どもと関わり続けられるのは、子どもにとっても親にとっても良いことでしょう。

しかし、共同親権には上述したように、メリットだけではなく、デメリットもあります。

なによりも「子どもの健全な成長」が最優先に考えられるべきであり、慎重に議論されていくことが必要でしょう。

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