遺言書が2つ出てきたら?

こんにちは、函館の行政書士 小川たけひろです。

遺言書が何通か出てくることは、決して珍しいことではありません。遺言者が、書き直したものを処分せずにそのままにしていたりすることがあります。こういった場合、どの遺言書が有効になるのでしょうか?

 

1 日付の新しい遺言書が有効になる

複数の遺言書が出てきて、内容に抵触する(矛盾する)箇所があれば、日付の新しい遺言書が有効になります。

たとえば、「Bさんに全財産を相続させる。」と書いてある遺言書と「Cさんに全財産を相続させる。」と書かれた遺言書が見つかった場合、どちらも内容が抵触し、両方を実現させることは不可能です。こういった場合はどうするのでしょうか?

こういった場合は、日付の新しい遺言書の方が有効になります。日付の新しい遺言書が遺言者の “最後の意思”として尊重されるからです。

2 内容が抵触しない部分は古い遺言書も有効

ただし、矛盾しない部分は、古い遺言書も有効です。たとえば、一方の遺言書に「Bさんに預貯金を相続させる。」もう一方に「Cさんに不動産を相続させる。」と書かれてあれば、どちらも実現可能なので、日付の古い遺言書も有効になります。

このように、日付が新しければ、前の遺言の全てが無効となるわけではありません。

仮に、前に作成した遺言を全部否定してなかったことにしたいのであれば、新しい遺言に「以前の遺言を撤回する。」という文言を入れれば良いのです。

3 公正証書、自筆証書、どちらが正式な遺言書なのか?

遺言書が2種類あるような場合、たとえば、ひとつは「公正証書遺言」と呼ばれる、公証人という元裁判官などの法律の専門家によって作成され、証人2名が立ち会って作成された遺言書。

法律の専門家と証人が立ち会って作られた遺言書なので、なんとなく信頼のおけるものというイメージを持たれるのではないでしょうか?もうひとつは、「自筆証書遺言」といって、遺言者が自分で書いて署名捺印した遺言書。

自筆証書遺言は、公正証書に比べて、法律の専門家である公証人や証人の関与もなく、なんとなく効力が弱そうなイメージがあります。

しかし、この両者に効力の差はありません。

でも、自筆証書遺言は、遺言の様式に厳格さを求められるので、様式に間違いがあると、遺言自体が無効になってしまうこともあるので、ご自分で作成される場合には注意が必要です。

 

 

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