遺言書が無かったばかりに・・。

 

 

こんにちは、函館の行政書士 小川たけひろです。

 

今朝の函館は小雪が舞い、とても4月が近いという感じがしない朝でした。関東や関西では桜も開花したようですが、北海道はまだまだという感じです。さて、今日は、遺言を残していないと、どんな不都合が起こるのか?を実例形式でご説明いたします。

夫70歳

妻73歳

夫は、公務員として定年まで仕事を全うしました。夫は初婚でしたが、3歳年上の妻は前の夫とは死別しており、縁あって、この夫と次の人生を歩んでいくことになりました。妻には、子どもが2人いましたが、それぞれ独立して、夫婦とは離れて暮らしていました。

もともと、妻の子どもたちは、夫との結婚を快く思っておらず、夫婦との付き合いも疎遠になっている状態でした。そんな状態でしたが、夫婦は共通の趣味である登山や旅行など、二人だけの生活を楽しんでいたのでした。

しかし、妻が突然、アルツハイマー型の認知症を発症したことで、それまで穏やかだった二人の生活が変わり始めました。それでも夫は、献身的に妻の介護をしました。

幸いなことに、夫の姪の子どもが近所に住んでいて、献身的に、妻の通院の付き添いや買い物など日常生活の面倒を看てくれました。

夫には、弟が1人と姪がいたのですが、二人ともすでに亡くなっており、姪の子ども1人が残されていました。そして夫は、そんな彼女にすっかり頼り切っていて、自分が亡くなった後は、今までの感謝の気持ちから、彼女にも財産を譲ろうと考え、彼女にその気持ちを打ち明け、彼女も承知してくれたのでした。

しかし、間もなく、夫が余命3ヶ月の末期ガンを患っていることがわかりました。その後、症状が悪化し始め、ついには入院することになってしまいました。そして、夫婦二人の面倒を、相変わらず献身的に彼女一人で看ていました。

でも、そんな彼女の献身的な看護もむなしく、夫は認知症の妻を遺して、余命宣告どおりに亡くなってしまいました。

ここで、夫の財産について相続が発生しますが、夫は生前、面倒を看てくれた姪の子どもに財産を譲りたいという気持ちを打ち明けていました。

でも、遺言などで自分の意思を遺しておかなかったために、相続の原則どおり、残された妻が夫の全財産を相続することになってしまします。姪の子どもは、夫の法定相続人ではないので、彼女が相続するものは何もありません。

そして、さらに、今度はその妻が亡くなったとき、どんなことが起こるのでしょうか?

夫から相続していた妻の財産は、これまで、疎遠で夫婦の面倒を全く看てこなかった妻の二人の子どもが全て相続することになってしまうのです。

そして、とうとう、夫の感謝の気持ちが実現することはありませんでした。

遺言書が無かったばかりに・・。

 

 

 

 

Pocket