財産分与で財産を隠しても罪に問われない「親族相盗例」ってナニ?

こんにちは、函館の行政書士 小川たけひろです。

 

離婚の際、財産分与を免れるために、財産を隠匿するなどの行為があった場合、果たして罪に問われることになるのでしょうか?

たとえば、夫が妻に対して財産を隠したまま離婚が成立してしまい、後に妻がその事実に気付いたとき、妻は夫に対して財産の隠匿について犯罪行為があったと訴えることができるでしょうか?また、適正な財産分与のやり直しを求めることは可能でしょうか?

 

〇夫婦間の財産隠匿は罪にならない

上記のような場合、原則として犯罪行為は成立しません。

理由は、夫婦間には「親族相盗例(しんぞくそうとうれい)」という、親族間で発生した一部の犯罪行為(または未遂行為)についての刑罰を免除するという刑法上の規定があるからです。

例えば、親の財布からこっそりお金を抜き出したり、同居する兄弟姉妹から借りた本を古本屋などに勝手に売ってしまったりした場合でも、親族間で起こったことなので、窃盗罪や横領罪といった罪で処罰しないというものです。

これは、「法は家庭に入らず」という考え方から導かれる特例なのです。したがって、夫婦間の財産隠しを刑事罰として問うことはできないのです。

〇刑事罰には問えないけれど、民事上の損害賠償請求は可能

財産隠しを刑事罰として問うことはできませんが、不法行為として、民事上の損害賠償請求をすることは可能です。

また、適正な財産分与がされなかったことから、再度の財産分与を求めることも可能です。しかし、財産隠しがあったことを立証できるだけの証拠が必要なので、この点に注意しましょう。

また、たとえ離婚成立後であっても、2年以内であれば、再度、財産分与を請求することは可能であるので、配偶者の財産隠しに気付き、しかも確かな証拠があるのなら、まだ諦める必要はありません。

 

 

 

 

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