相続人がいない場合の相続ってどうなるの?


こんにちは。函館の行政書士 小川たけひろです。

現在、日本では、晩婚化や非婚化が進んでいます。また、少子化や離婚率の上昇などにより、自分が亡くなってしまった後に、相続人が誰もいないということも珍しくありません。。現実に相続人がだれもいない場合、相続財産はどうなってしまうのでしょうか。

〇法定相続人と相続順位

相続人は法律によって定められています。法律によって定められているため、これらの相続人は「法定相続人」とよばれます。法定相続人には順位が決められており、子(孫、ひ孫)直系尊属(親、祖父母)兄弟姉妹(甥、姪)の順番で相続人となります。そして、配偶者は常に相続人となります。

〇「相続人不存在」という状態

相続人が誰もいない場合には、故人が遺言を遺していない限り、故人の財産を継承する人がいない「相続人不存在」という状態になってしまいます。

相続人がだれもいない「相続人不存在」という状態になると、遺産の承継が行なわれないため、金融機関などに預けている預貯金や株式を解約したり、払い戻したりといったことができなくなります。

また、例えば、故人が生前Aという人物から100万円を借りていたまま亡くなってしまった場合、この100万円を十分に返済できるだけの財産を持っていたとしても、故人の名義のままでは、差押などの手続きができなせん。なぜなら、財産は、すでに故人の所有物ではなくなっているからです。

本来相続人がいれば、その者に相続されているはずで、その財産を承継した相続人を相手方として差押えなどの手続きが可能となるのです。

〇「相続財産管理人」の選任と役割

では、こういった場合どうすれば良いのでしょうか?
こういった場合、利害関係者や検察官などが家庭裁判所に「相続財産管理人」という財産を管理する人を選任するよう申し立てします。

この相続財産管理人の選任の申し立てのためには、相続人の不存在を確定させるための戸籍調査などをする必要があり、それなりの時間がかかります。また、相続財産管理人が選任されて、財産管理にあたるときに、経費や報酬が発生するため、その費用に充てるために「予納金」というものを納付する必要があります。この予納金の額は数十万円から100万円程度になります。

そして選任されると、相続財産管理人は、故人の財産を管理し、債権者の有無などを調査して財産から弁済して清算します。残った財産は国庫に帰属することになります。

〇「特別縁故者」による財産の承継

また、故人と内縁関係にあった者や生前、親交のあった者などの「特別縁故者」の申し出があった場合には、財産の全部または一部を承継させることができます。

〇「遺言」の作成をお勧めします。

自分の死後、相続人となる人がいない人は、「遺言」を作成しておくべきでしょう。
遺言があれば、相続財産管理人を選任する必要はなく、自分に親しくしている人や団体などに承継させることができます。

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