死別で再婚する場合の注意点は?

こんにちは。函館市の行政書士 小川たけひろです。

 

配偶者と死別してしまったけれど、もう一度人生を一緒に歩んでいきたいと思う相手と出会うことがあります。

そのようなとき、亡くなった配偶者との間に子どもがいる場合、子どもに再婚のことをどう話したら良いのか?といったことや、子どもの戸籍や姓をどうしたら良いのかといったことについて悩むこともあるでしょう。

子どものこと以外にも特に女性には死別後に再婚を考えた場合、注意しなければならないことがあります。

 

〇死別後再婚する場合に気をつけるべきこと

死別後の再婚をする場合、特に女性については、注意しなければならないことが多いです。そして、さらに子どもがいるときには、子どものことについても注意すべきことがあります。

注意点① 女性には再婚禁止期間があります。

通常の離婚の場合、女性には法律上100日間は原則再婚できないという規定がありますが、配偶者と死別後の再婚についてもこの規定が適用されます。

民法733条

女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して100日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

2前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合

二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

つまり、通常の離婚と同様、“子どもの父親は誰か?”という特定をするためにこの再婚禁止期間があるのです。

もっとも、死別した時点で妊娠していなかった場合や死別後出産した場合は、この100日間の再婚禁止期間は適用されません。

注意点② 子どもへの対応

子どもが、ある程度の年齢になると結婚ということについて理解ができてきます。しかし、子どもが小さなうちは、自分の親のどちらかが、突然自分の前からいなくなってしまい、ある日、「今日からこの人がお父さん(お母さん)だよ。」と言われても、すんなりそのことを受け入れられる子どもは少ないかもしれません。

そのため、特に幼い子どもを抱えて再婚する場合は、特別の配慮が必要となってきます。

注意点③ 戸籍がどうなるか?またはどうするか?の問題があります。

死別後の再婚する場合に、戸籍についてもいくつか問題が発生します。たとえば、亡くなった方が女性、つまり妻であった場合、その妻の名前が夫の戸籍に残ったままですが、夫が再婚する場合、夫の戸籍に新しい妻が入ることが多いでしょう。

こういった場合、前妻の名前が残っている戸籍を見てしまうと、辛い思いをする人もいるかもしれません。こういった場合、新しく戸籍を作り直すことも一つの考えです。

また、死別した方が夫で、結婚で夫の姓に変わっていた妻は、夫の死後再婚する場合でも、相手の戸籍に入るならば、このような問題は起こらないでしょう。

注意点④ 子どもの戸籍と姓について

死別後に親が再婚して、再婚相手の戸籍に入る場合、子どもはそのまま親の戸籍に残されることになります。

また、戸籍は同じ姓の人のみしか入れない決まりなので、子どもの氏を変更しなければ、再婚した親と同じ戸籍に異動することはできません。

そのため、子どもを同じ戸籍に入れる場合には、「子の氏の変更」手続きまたは再婚相手との子供の「養子縁組」手続きをする必要があります。(「母親が再婚すると子供の姓や戸籍はどうなるのか?」も合せてご参照ください。)

注意点⑤ 再婚相手と子どもとの養子縁組をした場合のメリットとデメリット

養子縁組のメリット

・再婚相手の子どもに対する扶養の義務が生ずる。

・子どもに再婚相手の財産について相続権が発生する。

・再婚相手が法律上親子となるため、母親と共に共同親権者となり、家族として一体感が生まれる  など

養子縁組のデメリット

・法律上の親子である以上、子どもが再婚した親の面倒をみなければならない場合がある。

・離婚する場合、養子縁組を解消するかどうかで揉めることがある。

養子縁組を取らない場合、単に戸籍と名字を母親と同じものにしたい場合には、「子の氏の変更」手続きをすることも一つの方法です。この場合もメリットとデメリットの両方が存在します。

子の氏の変更手続きのメリット

・子どもの親に対する扶養義務は発生しない

・離婚のとき、養子縁組を解消するかどうかといったことが起こらない。

子の氏の変更手続きのデメリット

・子どもの苗字が変わる(養子縁組も同様)

・養子縁組のように、相続権の発生など法律上の親子関係特有の利点がない。

養子縁組をする場合や子の姓を変更する場合のどちらでも、デメリットが存在しますので十分配慮しましょう。

また、子どもが15歳以上である場合や、子どもが再婚相手の姓を名乗りたくない場合には、子どもの“意思”が尊重されるため、養子縁組手続きや子の氏の変更手続き、いずれの手続きもとることができませんので注意しましょう。

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