協議離婚するなら知っておくべき流れと手続き

こんにちは。函館市の行政書士 小川たけひろです。

 

今回は、離婚前後にしておくべきことについてまとめてみます。

協議離婚、つまり、話し合いによる離婚に限っていえば、手続き自体は、基本的にお互いが離婚するということで合意し、離婚届に署名捺印して役所に提出すれば完了します。

しかし、現実的に、離婚届を提出すればすべて終わりということではないのは、おわかりのことだと思います。

特に、子どもを引き取って生活していく女性の方にとっては、離婚前後にしておくべき手続きが意外に多くあるのです。

以下に、一般的な協議離婚の場合を想定して、するべきことや手続きについて順を追って羅列してみましたので参考にしてください。

 

1.離婚についての話し合いをする。

まずは、離婚の意思を含めての話し合いをしましょう。夫婦双方が離婚に合意できれば問題ありませんが、一方が離婚したいけれど、他方が離婚したくないという場合は、協議離婚は難しくなりますから、調停を利用するなど、他の方法を考える必要がでてきます。

ここで、双方が離婚することに合意すれば、次に、離婚の条件について話し合います。

まずは、子どもがいる場合には、夫婦のどちらが親権、監護権を持つのか、養育費はいくらにするのか、面会交流はどうするのかについて話し合いましょう。

特に親権者の指定は離婚の要件となっていますので、未成年の子どもがいる場合に、親権者の記載のない離婚届は受理されません。

また、離婚の際には、婚姻中夫婦で築き上げた財産を清算する必要があるので、「財産分与」について話し合って決めましょう。

また、離婚することになった原因によっては、離婚原因を作った相手方に慰謝料を請求することもあるかもしれませんが、慰謝料については、必ず取り決めなければならないものではありません。

それでも、たとえば、離婚したことにより、子どもを抱えて離婚した妻が生活に困ることが予想される場合などは、夫が慰謝料という名目で金銭を支払うケースがあります。

 

2.離婚前にできる手続きと必要な書類を準備する。

離婚前にできる手続きについては、できるだけ離婚する前に済ませておきましょう。

戸籍謄本や印鑑証明書は、様々な手続きの場面で必要になることが多いので、ある程度の通数を用意しておくと良いかもしれません。特に、戸籍謄本は、住民票のように居住地の役所ですぐに取れるものではなく、戸籍の本籍地の役所でのみ取得できる書類です。

そのため、戸籍の本籍地の役所が、たとえば、道外など遠方であれば、交通費をかけて役所の窓口まで行く方法か郵送で取り寄せるしかありません。戸籍謄本の取得に関しては早目に手続きをするのが良いかもしれません。

また、年金分割をしようと考えている場合は、年金事務所で「年金分割のための情報提供請求書」を提出し、「年金分割のための情報通知書」を取り寄せましょう。

この「年金分割のための情報通知書」の取り寄せには1カ月くらいかかることがありますから、早目に請求するようにしましょう。

生命保険の契約者や受取人変更、車の名義変更は、離婚前に手続きしておきましょう。

離婚後ひとり親になる場合には、離婚する前に、どのような公的支援制度があり、どのように手続きするのかについて、市町村などに確認しておきましょう。

特に、児童扶養手当を受ける場合には、事前に必要な書類や手続き方法を詳しく聞いて、離婚したらすぐに準備して手続きできるようにしておかなければ、支給開始が遅れてしまうことになるので注意しましょう。

また、児童扶養手当については居住地の役所によっては、対応にも差があり、ケースバイケースの要素が強いですから、個別に相談して確認してくことが必要かもしれません。

 

3.離婚協議書(公正証書)・年金分割合意書を作成する。

離婚の際に決めたことは、離婚協議書にして残しておきます。

養育費などの支払いが条件となる場合には、離婚協議書を公正証書にしておくと安心でしょう。 年金分割を予定している場合には、年金分割合意書を作成して公証役場で認証を受けておくと、離婚後は2人が出向いて手続きする必要がなく、どちらか1人だけで手続きが可能です。

 

4.離婚届を提出する。

離婚届は、本籍地または居住地の市町村役場に提出します。本籍地以外の役所に提出する場合には戸籍謄本を添付する必要がありますので、事前に本籍地の役所に請求して取り寄せておきましょう。

離婚後にしなければならない手続きについては、離婚後の新しい戸籍謄本が必要になることが多いですが、新しい戸籍謄本が発行されるまで1週間程度かかることがあります。

また、離婚届を提出した際に「離婚届受理証明書」をもらっておけば、その証明書で手続きできるものもありますので、必要に応じて入手しておきましょう。

 

5.離婚後に必要な手続きをする。

離婚後には、具体的に以下のような手続きが必要になります。

それぞれの手続きについては、準備しなければならない書類や手続そのものをする役所が違うこともあるので、普段仕事をしている方は、効率的に手続きできるように段取りを組んでおきましょう。

 

①子の氏の変更許可申立て

通常、女性が子どもを引き取った場合には、子どもと自分の戸籍が違います。子どもを自分の戸籍に入れたい場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立て」をして、許可をもらうことが必要です。

②年金分割の請求

離婚時に年金分割の合意をした場合には、年金分割の請求手続きをする必要があります。ただし、離婚後2年以内に手続きする必要がありますので注意しましょう。

③免許証の本籍等変更

離婚したことにより、本籍地や居住地が変わった場合には、免許証の変更手続きが必要になってきます。

④児童扶養手当の申請

ひとり親になる場合には、役所で児童扶養手当の申請をしましょう。

⑤児童手当の受給者変更

離婚前に父親が児童手当の受給者になっていたときに、離婚後、母親が子どもを引き取ったなら、児童手当の受給者変更が必要になってきます。

⑥健康保険の手続き

離婚前に夫の社会保険の扶養に入っていた場合には、自分の職場の社会保険または国民健康保険に加入する手続きが必要になります。国民健康保険の加入手続きについては、居住地の市町村役場の担当窓口での申請になりますが、加入する際に夫の職場で発行される「健康保険資格喪失証明書」の提出が必要になりますので、離婚の際に準備しておきましょう。

⑦国民年金の加入・変更手続き

国民年金の加入は、ご自分が仕事に就いていて、厚生年金に加入しているなら手続きは特に必要ありません。しかし、離婚前に、夫の職場の厚生年金に扶養家族として加入していた場合は、今後は国民年金に加入しなくてはなりませんので手続きが必要です。

⑧医療費助成・就学援助等の手続き

子どもを引き取ってひとり親家庭になった場合には、医療費助成や就学援助が受けられることがありますから、市町村役場で確認して手続きしましょう

⑨家や土地など不動産の名義変更手続き

財産分与により、家や土地など不動産を取得した場合には、その不動産を管轄する法務局で所有権移転登記(名義変更の登記)をする必要があります。

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