離婚後の住まいをどうするか?【3つのパターンのメリット・デメリット】

こんにちは。函館市の行政書士 小川たけひろです。

 

離婚を決めたときに、考えなければならないことの1つに、「これからの住まいをどうするか」ということがあります。選択肢としては、「実家に帰る」「アパートや公営住宅に住む」また、「今まで住んでいた家にそのまま住み続ける」という方もいらっしゃるでしょう。

それぞれにメリットとデメリットがあり、自分と子ども、さらに実家や周囲の人々にとって一番良い方法を選択することが大切です。慎重に考えて決めましょう。

 ① 「実家に帰る」

メリット:経済的な不安が少なく、子育てについても家族の協力を得やすい。こういったことから、心理的な安心感が生まれ、ゆとりを持って生活できる。

離婚後、両親や兄弟姉妹の助けを受けながら生活をしている女性は多いと思います。実家の両親が温かく迎え入れてくれる場合は、自分にとっても子供にとっても、新しい生活を始めるには、一番無理がなく、不安も少ない選択肢かもしれません。

実家で暮らす場合は、アパートなど賃貸住宅に住む必要がないため、家賃の心配をする必要がありません。また、母親が仕事をしていても、親がいるため、子どもの世話を協力してもらえるかもしれません。

仕事をしながら、ひとりで子育てをする母親にとって、毎日家事をすることは、非常に厳しいものがあるでしょう。こういった点からも、実家に住むことができれば、親が食事の準備をしてくれたり、子供の遊び相手になってくれたり、学校や保育園の送迎などをしてくれるかもしれません。

ただ、過度に甘えすぎては、かえって子供の成長面にマイナスに働くこともあるので、気を付けなければいけませんが、祖父母にとっては、可愛い孫のために、経済的な援助も進んで引き受けてくれる可能性が高いでしょう。このように、実家に住むということは、経済的にも肉体的にも負担が軽減されるでしょう。

デメリット:将来、親の介護や相続問題が発生する可能性がある。「児童扶養手当」が支給されなくなる可能性がある。過度な甘え過ぎは子供の成長面でマイナスになる。

誰でもいずれは歳を取ります。自分の両親も例外ではありません。今後、親の介護や亡くなった後の遺産などをめぐって、相続問題が起こる可能性がでてくるかもしれません。

こういった問題は、自分が一人っ子であれば、何の問題もないかもしれませんが、自分に兄弟姉妹がいた場合は少し事情が変わってきます。

離婚後、実家で暮らしていれば、両親としても「将来、身体が動かなくなったときには、一緒に暮らしている子供に世話をしてもらいたい」という気持ちが湧いてくるのは自然なことでしょう。実際、実家で世話になるからには、自分が老後の面倒を見ると、約束したという方も多いのではないでしょうか。

しかし、親に十分な老後の資金があれば良いのですが、貯金や退職金もほとんどないとなると、老人ホームなど施設に入れるのは困難となります。そのため、自宅で親の介護しながら仕事をすることになり、介護費用は自分が負担しなければならなくなり、他に兄弟姉妹がいても、協力を頼みづらい状況になるかもしれません。

また、実家にずっと住み続けたとしても、親が亡くなった後、兄弟姉妹が遺産分割を要求してくることも考えられます。親に十分な財産があれば預貯金や他の財産と引き換えに、家をもらうことはできるかもしれません。

しかし、財産が家のみの場合、売却して折半ということも考えられます。親が亡くなる年齢といえば、自分も決して若くはない年齢になっているでしょう。そういった年齢で住む家がなくなってしまうことは深刻な問題となります。

さらに、実家の親と一緒に住むことによって、自治体から支払われる「児童扶養手当」が受け取れなくなる可能性もあります。

そして、自分が仕事をしていると、どうしても、両親と子供が密接に過ごすことになってきます。それは、子供の年齢が低いほど一緒に過ごす時間は長くなるでしょう。祖父母にとっては、可愛い孫のこと。しっかりケジメを付けて世話をしてくれるのなら、問題はないのですが、ついつい甘やかしてしまうと、かえって子供の成長面でマイナスになることもありますので、気を付けなければいけません。

 ② 賃貸住宅に住む。

リット:離婚後、周囲の目を気にしない所に引っ越したり、ひとり親世帯に対する福祉助成などが受けられる地域に移り住むことができる。

実家に帰るという選択肢がなければ、離婚後は賃貸のアパートやマンション、公営住宅ななどに住むのが一般的でしょう。

新たに家を借りて住むことを選択された方の中には、過去と決別して、新たな生活を始めたいという思いや、離婚したことに対する周囲の目から逃れたいという思いから、今までとは別の場所に住みたいという方もいらっしゃるでしょう。

また、賃貸住宅に住むことを選択した場合、ひとり親家庭に対する福祉助成などが充実した地域に引っ越すという考えもあります。自治体によっては、ひとり親家庭に家賃の一部を補助するところもあり、こうした制度のある地域に引っ越すという選択肢もあります。

 デメリット:家計に占める家賃の負担割合が重くなる。

当然のことなのですが、賃貸住宅は家賃を払わなければならず、この金額は収入の少ない世帯にとっては大きな負担となるでしょう。公営住宅などの場合は、収入によって家賃が決定されるので、安い家賃で住むことができる場合もありますが、アパートやマンションなどの場合には、入居時に敷金や礼金を支払う必要があったり、新たに生活を始めるに当たって、家財道具などを揃えたりなど、出費がかさむため、最初は非常に厳しい生活状況となるかもしれません。

 ③ 離婚後も現在の家に住み続ける。

 メリット:環境が変わることがないので、自分も子供も安心できる。

離婚の話し合いで、配偶者から家を貰えることになった場合は、家賃の心配をする必要もなく住み続けることができます。自分も子供も環境が今までどおりで、離婚して、いつも居た家族がいなくなったことを除けば、普段通りの生活を続けることができるでしょう。

デメリット:周囲の目が気になることもある。住宅ローンが残っている家に住む場合、リスクを考えなければならない。

環境が変わらないということは、自分達夫婦の離婚事情が周囲の人にとって、‘周知の事実’となっていることもあります。

また、配偶者から家を貰えることになったとしても、住宅ローンの支払いが終わっていなければ、そのローンを相手配偶者がちゃんと返済するという確証がなくては、不安になるでしょう。離婚後に相手がローンを払えない場合、多額の残債を払うことになってしまう場合もあり得るのです。(詳しくは「住宅ローンがある場合の財産分与」をご参照ください。)

離婚の話し合いをする際には、ローンの支払をどうするのかを、しっかりと話し合って、取り決め、公正証書などの文書にして残しておくことをおすすめします。詳しくは、行政書士など専門家に相談すると良いでしょう。

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