離婚における財産分与

財産分与とは?

離婚する場合、夫婦の共有財産をお互いに分割して配分します。夫婦が婚姻期間中に協力して築き上げた財産を分配することを財産分与といい、基本的に夫婦それぞれが50%の権利を有するとされるのが最近のルールとなっています。

例えば妻が専業主婦で、夫の収入で生活していたとしても、離婚時には、基本的に財産の50%を妻が夫に請求することが可能です。

 

 【財産分与の対象となりうる財産】共有財産

夫婦が婚姻期間中に築き上げた財産は夫婦の共有であると推定されます。

・現金(預金)

・不動産 (相手の名義になっていても対象となります。)

・株などの有価証券

・保険(生命保険、学資保険、損害保険)などの解約返戻金

自動車

退職金

・家具や家電

年金

 

【財産分与の対象とならない財産】特有財産

結婚前に夫婦の一方が取得していた財産などは特有財産といって、財産分与の対象にはなりません。

・婚姻前の財産(現金、預金、有価証券など)

・婚姻前の所有物(嫁入り道具なども)

・婚姻前に相続や贈与により受けた財産(夫婦で築き上げた財産ではないから)

・婚姻期間中に相続や贈与により受けた財産(上記理由と同様)

・日常生活の私物(私物で使用している衣類や、宝飾類)

 

 財産分与の割合

夫婦共働きの場合は原則として2分の1、専業主婦若しくは専業主夫であっても基本的には2分の1ずつとなります。

ただし、夫(あるいは妻)が医者や弁護士、会社経営者など個人の特殊な能力や努力により、高額な資産形成がなされたと考えられる場合には、2分の1とならない場合もあります。

このような場合にも2分の1ずつの分配とすると、かえって不公平になってしまうことも考えられるからです。 実際2分の1の分配が適用されなかった判例もあります。

夫が医療法人の理事長として医療施設を経営し、多額の資産を形成していた場合に、夫が多額の資産を作ることができたのは、たしかに妻の貢献度も大きいが、それにもまして、夫の医師としての能力、経営者としての手腕によるところが大きいとして、2分の1の分配とせず、5分の1の分配とした判例があります。 なので、一概に2分の1の分配になるとはいえないケースもあります。

 

 借金は財産分与の対象になるのか?

マイナスの財産、つまり借金は、夫婦生活のためのものについては財産分与の対象となります。住宅ローンもオーバーローン(売却しても住宅ローンの残債が残る)の場合は財産分与の対象となります(※詳しくは「住宅ローンがある場合の財産分与」を参照ください)。 ただし、浪費の借金やギャンブルの借金は財産分与の対象外となり、借金をした個人が支払う義務があります。

 

 財産分与の請求はいつまでにすれば良いか?

財産分与は、離婚から2年以内であれば請求は可能ですが、やはり離婚が成立するまでにしっかり話し合い、取り決めされておいた方が良いと思われます。

仮に、話し合いでまとまらない場合は調停や裁判などが必要となり、費用も労力も時間も消費してしまうことになりかねません。

また、離婚後に再度会って話し合うストレスなどを考えた場合、しっかり取り決めをして、それを離婚協議書などの文書として残しておいた方が良いでしょう。また、離婚協議書を公正証書などにしておくと、より安心と思われます。

 

 財産分与の方法

財産分与の方法を決めるには、まずお互いに話し合うことが必要です。話し合いの方法は、直接話し合うことが一番ですが、既に別居しているなどで直接話し合えない場合は、メールやLINE等でも構いませんので、あとで争いになった場合を考えて、証拠が残るようにして話し合いましょう。

伝える内容は、財産分与請求をするということと、その内容及び金額です。相手が、財産分与についての話し合いに応じるのであれば、以下の流れで話し合っていきましょう。

 

1 財産分与の対象物をリストアップ

2 自己の所有物の選別をする

3 マイナス財産について返済方法について話し合う

特に1の財産分与の対象物のリストアップは特に重要です。相手方の財産(隠し財産など)も不明なまま話し合いをすると、相手方の言いなりとなって損をしてしまうケースがあるからです。しっかり調べることが肝心です。

ここですんなり話し合いがまとまれば、金額を渡すという方法(通常は口座振り込みなどによる送金)で分与が可能です。 また、相手が話し合いに応じない場合は、まず「内容証明郵便」を送付しましょう。

内容証明郵便はご自身でも送ることができますが、弁護士や行政書士などの専門家に依頼しても良いでしょう。ここで、まとまらない場合は、離婚調停→離婚裁判と流れることになります。

 

 

 

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